むちうちの後遺症について
１ むちうちの後遺症について
交通事故にあった場合、むちうち損傷は後遺症の評価において争点になることが多くあります。
むちうち損傷の後遺障害が残った場合、末梢神経障害として
- 後遺障害等級１２級「局部に頑固な神経症状を残すもの」
- 後遺障害等級１４級「局部に神経症状を残すもの」
のいずれかに認定されます。
２ １２級について
後遺障害を認定する自賠責保険の実務では１２級は「障害の存在が医学的ないし他覚的に証明できるもの」とされています。１２級の「医学的ないし他覚的に証明できる」とは、端的に言えば、現在残存している症状の原因が何であるかが他覚的な所見に基づいて判断できる状態を指します。
この点、他覚的所見とは、自賠責保険としては、端的に言えば被害者に存在しているとされる残存症状を発生させている神経系統の不具合の存在が確認できる所見と考えています。具体的には、裁判例を分析すると、むちうち損傷においては①画像から神経圧迫の存在が考えられ、かつ、②圧迫されている神経の支配領域に知覚障害などの神経学的異常所見が確認できれば他覚的証明に近づいたとされ、１２級に認定しているように見受けられます。
３ １４級について
１４級は自賠責保険の実務では「障害の存在が医学的ないし他覚的に説明可能なもの」という考え方が採用されています。１４級は、残存症状を発生させている神経系統の不具合が確認できる所見があるとまではいえなくても、残存症状が発生していてもおかしくないといえるような神経系統の不具合の状態が確認できれば該当するとされています。
４ おわりに
おりお総合法律事務所では、むちうちの後遺症に関する相談は多く受けております。もし、交通事故でむちうちになってしまった方でご相談があれば、すぐにご連絡ください。
