刑事事件における弁護人の接見の重要性
弁護人は被疑者・被告人と警察官などの立会人なくして接見する権利を有しており(刑事訴訟法第39条1項)、憲法第34条の弁護人選任権に由来します。立会人なくして接見する権利は、被疑者や被告人の権利を保障するために不可欠な権利です。
弁護人の接見には、以下の様な重要な意味があります。
①孤独と不安の解消
被疑者・被告人は身体を拘束され、日常生活とは異なる空間に放り込まれ不安を感じます。さらに、密室の取調室で捜査官による取調べをうけます。外部との接触も制限され、外部との連絡がほぼできなくなります。このような中で弁護人の接見は、被疑者の外部交通の橋渡しをするとともに、被疑者の味方として専門家としてアドバイスを授け、被疑者の孤独と不安を解消するという重要な役割を果たします。
②権利行使の手助け
被疑者には、黙秘権、供述調書署名・押印拒否権など、自らを守るための権利が法律上保障されていますが、被疑者は実際のところ良く理解していないことが少なくありません。弁護人は被疑者に対し、黙秘すること、作成された供述調書への署名・押印を拒否することは法で認められた権利であり、権利を行使することは悪いことではないといったことを説明します。
③違法捜査の抑止
弁護人は被疑者から取調べの内容を詳しく聴くことで、取り調べに違法な内容が含まれていないかも知ることができます。特に自白が得られていない場合に自白を得るために逮捕した上で強引な取り調べをするケースは現在でも珍しくありません。弁護人は被疑者の受けている取調べが違法であると考えれば、捜査機関への抗議も含めて対応をします。
④信頼関係の構築
被疑者・被告人に弁護人が十分な弁護活動を行うためには信頼関係の構築が不可欠ですが、弁護人接見は弁護人との信頼関係を築くという意味でも重要な役割を果たします。
以上の通り、刑事事件における弁護人の接見には重要な意義があります。もし、家族の方や知り合いの方が逮捕されてしまった場合は、おりお総合法律事務所にご連絡ください。当事務所の弁護士が可能な限り早めに接見に行き、その方の弁護活動をしていきます。